
薬用植物資源研究センター目的と理念
薬用植物は、古くは「くすり」そのものとして、そして現在でも漢方薬や医薬品となる化合物の製造原料として、人々の健康に大きな役割を果たしてきています。
現在使われている薬用植物は、先人が自然界から選び出した貴重な財産であり、薬用植物とそれに関する知識を収集・保存して、必要な時に利用できるようにするとともに後世に伝えていくことは、我々の大きな責務です。また、世界中には様々な植物があり、その中には薬としての潜在的な価値を持っているものがまだ沢山あると考えられます。これまでにもこのような未利用薬用植物資源の研究から、新しい抗がん剤等が見いだされており、今後も新しい薬が発見されることが期待されます。さらに、組織培養や遺伝子組換え等の新しい技術の発展によって、薬用植物に含まれる有効成分の量を増やしたり、新しい有効成分を作らせたりする等、薬用植物の新しい利用の可能性も広がっていきます。
当薬用植物資源研究センターは、このような薬用植物資源を国民の健康の増進にさらに役立てるために、1)薬用植物等の積極的な収集、保存、確実な情報整備及び行政的要請への正確な対応を行う、2)薬用植物等の保存、増殖、栽培、育種に必要な技術並びに化学的、生物学的評価に関する研究開発を行うことを目標としています。