
沿革
薬用植物資源研究センター種子島研究部は、昭和29年(1954年)国立衛生試験所種子島分場として、熱帯・亜熱帯系薬用植物の露地での試験研究を目的に設置された。所在は、鹿児島市から南へ約100 km、種子島のほぼ中央に位置している。
島は、秋の台風、冬の北西の季節風という自然条件下にあるものの、夏涼冬暖という比較的温和な気候で、降霜・無霜地帯が散在している。
位置: | 北緯 30°32′東経 130°27′ |
| 標高 88 m |
気温: | 平均気温 19.5゜C |
| 最高気温 34.6゜C |
| 最低気温 1.9゜C |
面積: | 108,693m2 (本場:91,700m2、下田分場:16,993m2) |

試験研究を行っている主な薬用植物
法規収載生薬の基原植物・その他繁用される薬用植物のうち、当地での露地栽培が可能な種について栽培研究を行っている。栽培種の増収・良品生産・増殖・
環境耐性・優良系統の導入、野生種の栽培化等に関して、以下の種について重点的に実施している。
ウコン属(ガジュツ、ウコン他)、ハナミョウガ属(ヤクチ、リョウキョウ他)、インドジャボク、マオウ、ニッケイ属(ニッケイ、シナニッケイ)、ヒキオコシ他

保存栽培を行っている主な薬用植物
絶滅の恐れのある種・国内外からの導入が困難な種・優良系統・暖地系植物で他地域での栽培が困難な種等について、露地・温室等で実施している。
ショウガ科、トウダイグサ科、マメ科(センナ)、ミカン科(シキキツ、ヒラミレモン、ブシュカン、ベルガモット)、ニッケイ属(セイロンニッケイ、
ホウショウ他)、インドジャボク属、ストロファンツス属、クチナシ属、サクラ属(ヤマザクラ、モモ他)、オガルカヤ属(レモングラス、シトロネラグラス他)
、キナノキ,カンラン(カンラン科)、デリス、サンビロート、ビャクダン他

場内自生の薬用植物
場の敷地は広く、建物・圃場の防風対策として自然林をそのまま残している。その環境のなか、薬用植物が生育しており、保護・増殖・植栽している。
バラ科(ヤマザクラ、バクチノキ、テリハノイバラ)、ミカン科(タチバナ、ダイダイ、イヌザンショウ)、ニガキ、コウシュウウヤク、ヤブツバキ、
アカメガシワ、ウラジロガシ、クズ、ムクロジ、ネズミモチ、クチナシ、キカラスウリ、ドクダミ、クサスギカズラ、カワラヨモギ、ソクズ、ハマゴウ他

島内自生薬用植物の保護
種子島は他地域と比較し、南限・北限の植物や希少種が多いものの、諸開発に伴い絶滅・減少している。この中には薬用植物もあり、入手し、保護策を講じている。
クララ、コウホネ、アケビ、カギカズラ、シロバナハマゴウ、ムラクモアオイ、タカクマムラサキ他